真珠の微妙な部分その2


真珠のソレコレをごく少々


 

●真珠の層「巻き」●

 

真珠の輝きやテリは  厚み0.5ミクロン前後の真珠層が重なることで出来ています。

人工的に作った核を貝に入れてその核に真珠層が巻くことでパールができます。

「巻き」とは、真珠層の厚さを指す言葉です。 (ここでは養殖真珠について書きます)

 

巻きの厚い真珠・真珠層が厚いもの

真珠に射した光が沢山の層で反射、干渉をすることで独特の光沢を見せます。 見た感じ光沢に深みがあり、丸く光芒を画いています。

養殖期間が長ければ巻きは厚みを増しますが、同時に真珠特有のエクボやシワはできやすくなります。

(反対に言うと巻きの薄いものは養殖の核の丸みそのままなので形は整っています)

経年で真珠が多少くすんできても、それは表面の真珠層が少々傷んできたのみなので、真珠層が厚ければクロスで磨くことで輝きを甦らせることが可能です。ミクロの世界の話になりますが簡単に言うと悪くなった真珠層を研磨することで下の綺麗な層を表に出せば輝きが戻ります。

 

巻きの薄い真珠・真珠層の薄いもの

エクボなどが出来る間もあまりないので、真円で整って見える場合がありますが、経年によって剥がれたり、破損が起きやすくなります。

見えかたとしては頼りなく白っぽい、輝きに複雑な深みの無いものは巻きが薄いと思って良いです。

核の白さが透けた感じで輝きが薄いように見えるものもありあます。

また、本真珠にもかかわらず穴の周りの真珠層がはがれた感じになっている場合もあります。

巻きが薄いと経年による傷やクスミをクロスで取っても変化を感じません。

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厳密にいえば真珠層が厚いからといって必ずテリが良いとも言い切れないのが真珠です。

育成状況で真珠層の厚みが一定して揃っていない場合には光の屈折などの角度が揃わず、鋭いほどのテリにはなりえません。

真珠層が均一にキレイに揃って厚みがあることでテリが強く美しくなります。

また、一般に一番輝きに鋭さがあるのはアコヤの良品です。

南洋パールの場合、金属光沢めいた鋭いものは一部で、アコヤよりはシットリした光り方が多いようです。

 


 

●真珠の傷●

 

加工傷と呼ばれるもの(亀裂、剥離 スポットなど)は場合によっては経年で傷が大きくなる可能性があります。

また、見た目ですぐに分かる程の真珠層の剥離などもまれにありますが それらにはいくつかの理由があります。

 

1.真珠の育成状況によって層と層の間に薄い空間ができてしまったものがあり、そういったものが経年により割れ剥がれたような様子になる場合。

2.加工した穴の周りから層がはがれてくる場合。(真珠層が薄すぎるパールにおこることがあります)

3.銀塩処理によって黒く染めたパールが経年で表面が薄くパラパラと剥がれ落ちる場合。(染によるダメージが経年で進んだ) 

4.無調色の漂白が強すぎて内部にスポットと呼ばれるヒビが入る場合。

目に見えるレベルで層がはがれた場合、それらを丸く段差のないように磨く、というような修復は手間もかかり、

サイズも形も変わるうえリスクが高いので普通は行われませんが、場合によっては可能です。


 

●真珠の染色●

 

調色・エンハンスメント(改良)と染色・トリートメント(改変)

貝から採り出した時点で輝いているものだと思われている方が多いと思いますが、実際には

そのような真珠は滅多になく、多くの珠は染みや汚れを持った状態で貝から取り出されます。

 

@調色・エンハンスメント 分かりやすく言うと「お化粧」で、一般へのお披露目前に整える作業です。

真珠本来の美しさを引き出すために行われる調色・エンハンスメントと言われるものです。

真珠は染みや汚れを落とすために まず軽い漂白処理を施され、色味を戻すための調色が行われます。

厳密には染色に属する加工ですが、真珠の表面に色を着けるのではなく真珠層内部ほのかに浸透させます

基本的に普通のパールは調色しています。無調色のものは「無調色」と明記して区別されます。

(調色・エンハンスは元の価値を引き出すためのもので、元々の品質が粗悪な真珠はいくら調色を施しても綺麗になることはありません)

 

@染色・トリートメント 加工です。

色をつける処理方法は、核と真珠層の間に染料をしみこませて着色する方法と、 

コバルトを照射して核をグレーに焼き付ける方法があります

(この場合ほんのりとブルー系の真珠にしかならないので、重ねて染料を使います)

淡水パールなどは染色してポップな色合いを楽しむことがおおく、それらは穴の縁などを見ると染料が濃く見分けがつきます。

アコヤの黒染めはコバルト照射による着色ですが、基本的には「黒染め」と明記されて売られます。

(注:アコヤの染黒:喪用には華やかでサイズが大きい黒真珠の代用品として用いられるものです)

 

黒真珠系にみられる硝酸銀による着色は肉眼でも比較的見分けがつきますが、ブルーの淡い色の判別は分光光度計などの機材が必要です。


 ●真珠の扱い●

 

真珠の硬度は2.5~4位です。

真珠はタンパク質であるコンキオリンと炭酸カルシウムが結晶したアラゴナイトという物質で出来ています。

*日焼け*  

基本的には光にさらしたまま放置はしないで箱に入れるなど暗所保管してください。長く日に焼けると黄ばみます。

*汗*     

汗は酸性です。コンキオリンは酸に強いですが、アラゴナイトは酸に弱いので長く酸を付着させたままだと表面を侵食して少しずつ輝きが鈍ります。パール使用で汗をかいた場合は外して仕舞う前に柔らかい布で乾拭きしてください。

*乾燥*  

熱による乾燥は光沢を鈍らせます。また、内部から割れる可能性を助長します。

*薬品や酸* 

レモンなどの果物の酸は勿論ですが、お手拭きなどに微量に残ってる漂白剤などは油断しがちですので気を付けてください。

 

        万が一、それらが付着した場合は濡れ布巾ででしっかり拭いたのち(珠同士の間も)必ず乾いた布で水気をしっかり取って乾かしてください(水、というよりも水道水に含まれる塩素などはパールには良くありませんのでしっかりふき取ってください)